井戸チャ通信(05) 「個人サイト間における無断リンクについて」

香陸
僕の見解としては、いまや無断リンク問題は二水準に分かれていて、その一方が「原則的水準の無断リンク問題」です。

香陸
これは、もし無断にリンクされるのが困るのであれば、例えば、登録制や会員制にするというような具合に、技術的な対策によって問題を解消するのが無難だと思うわけです。つまり、こちらがここまでの話題にあたるものです。

セミマル
もう一方は?

香陸
もう一方が「コミュニケーション水準における無断リンク問題」です。つまり、個人サイトやローカルルールの存在するローカルコミュニティに向けても、断固としたリンクフリーを主張するのはいかがなものか、という問題提起になります。

香陸
2ch でさえ、「半年ROMれ」や「空気嫁」という台詞に代表されるように、その場の非明示的なルールを把握しなければならない、するのが好ましいという暗黙の了解があるわけだけれど、それなら、あるサイトからほかのサイトにリンクを張るという行為に対しても、そういう空気を読む能力を求めることは、それほど変なことではないのではないかと思うわけです。はたして、非制限的な「リンクフリー」はどれだけ強固な正義なのかということです。

セミマル
絶対的正義ではないだろうね。

香陸
ひとまず、セミマルさんのリンクを張るときに注意していることのようなものがあれば教えて下さい。

セミマル
ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS では、個人を晒し上げるとかはしないぐらいかな。あと、明確なリンクを拒絶する文言があると認識すれば、リンクしない。見逃してることも多々ありそうだけど。

香陸
そこのところで意見が分かれることもあると思うのだけれど。

セミマル
うん。

香陸
例えば、リンクを拒絶している人に対して「どうしてリンクを拒絶する!」と憤る人もいるでしょう?

セミマル
いるね。

香陸
この行き違いはどう見てます? そもそも、こういう行き違いが発生するということが面白いとも思うのだけれど。

セミマル
よくあるコミュニケーションの齟齬じゃないの? お互いの前提としているモノにズレがある。

香陸
その前提というのは具体的にいうとどういうもの?

セミマル
リンクをされる側は、リンクを拒絶する文言をリンクする人全員が読んでると思っているけれど、そんなことは全然なくて、自分のスタンスを知られずにリンクされてしまうということが多々あるんじゃないかと思う。たまに知った上であえてリンクする人もいるけど(笑)。そして、リンクをする側は、自分が紹介したいサイトをリンクできないのが悔しいから憤る。

香陸
なるほど。わりと性善説的な見方をしているんじゃないか(笑)。じゃあ、僕もちょっと、さっきの分類をもとに説明してみたいのだけれど。

セミマル
うん。

香陸
リンクを拒絶する人と、リンクを強行する人の前提の違いというのは、Web を「コミュニケーションの空間」としてみているか「データベース的な空間」としてみているかの差異かなと思うわけです。

セミマル
なるほど。

香陸
リンクを強行する人の側からしてみると、技術的にも法的にもなんらリンクを束縛するものはないわけで、はっきり言えば「文句を言われる筋合いはない」と思っていると思うのだけれど、

香陸
そして、実際、それはある立場からすると正しいのだけれど(つまり、別に「悪いこと」ではないのだからやっても良いだろうという具合)、ただ、Web や個人サイトが、人と人とのコミュニケーションの空間であり、場であると考える人にとっては、それは「悪い行為」ではなかったり「間違っている行為」ではないとしても、「迷惑な行為」ではあるのだと思うのです。

香陸
こういう前提の違いがおおまかに言えるのじゃないかなと。

セミマル
そうだね。なんだか SNS についても、関係しそうな感じだね。

香陸
うん、繋がっていると思う。

香陸
それで、僕の見解としては、Web はもうコミュニケーションの空間としての側面が非常に強くなっているのではないかなと思っていて、大体、2003年の終わりから2004年の始まりにかけてが、その意識的な転換期にあたるのじゃないかなと僕は考えています。

セミマル
ふむふむ。

香陸
だからね、僕としては「無断リンク禁止」までいかない「無断リンク拒否」程度の立場は積極的に擁護したいなと思っているのさ。

セミマル
そうだね。無断リンクお断りと書いたぐらいで晒し上げられて、笑いものにされるというのは、やっぱちょっと異常だよね。

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